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お楽しみに!
今、私の手元にはあのときのジッポがある。
タバコをすわない私は、オイルをいれずにそのまま引き出しに入れっぱなしになっていたのだ。あれは、私が小学生だったある夏の日・・・
白熱灯に照らされた陳列台には目新しいものはなく、子供たちに人気のヒーローの人形がとても倒れそうもない様子で中央に3個並んでいる。
それを目当てに何度かライフル銃を手にするが、1、2発当たったくらいでは、景品はびくともしない。何度か当たっても少しずつずれてはいくが、すかさず店のおじさんは元の位置に戻してしまう。奇跡のようなタイミングでおじさんの目を逃れてやっと倒れても、棚から下に落ちなければ商品を持ち帰れないのだ。
「やった!」
「だめだめ、坊や、下に落っこちないと」
はじめからちゃんと説明されていなかった男の子は、少し怖そうなテキヤのおじさんに薄ら笑いで言われると、何も言えなかった。
「あたったー!」
隣で遊んでいた浴衣のお姉さんが何かを当てて落としたようだ。
「はいよ、別嬪さん」
景品のジッポライターを手にしたお姉さんは、うれしそうに傍にいた中年の男のもとに近づくと、商品を差し出した。
「これあげるわ」
「いや、いいよ、ライター持ってるし」
「・・・そっか、そうだよね」
「・・・」
「・・・持ち帰って見つかるとだめだよね」
「なに言ってるんだ、そんなことじゃ・・・」
「いいのよ、別に・・・」
少し寂しそうな笑みを見せると、近くにいた僕と目が合った。
なんだか見てはいけないものを見てしまったような気がして、思わず目を逸らしてしまった。
ふっと、いいにおいがした。
気配を感じて目を上げると、目の前でお姉さんが笑っていた。
「ねえ、僕、これあげる」
目の前に差し出されたのは、真っ黒にスマイルマークが入ったジッポライターだった。
「何回もやってたけど、当たんなかったでしょ。
お父さんにでもプレゼントすれば」
僕はとっさのことで、何も言えずにライターを受け取ってしまった。
何かいわなきゃと思っているうちに、彼女は中年の男のもとに戻って男の腕を取った。
男は人目を気にするように彼女の手をほどこうとするが、
「いいじゃない、誰かに見られたって」と彼女のほうが、からかっているのか子供のような笑顔を見せながら、人ごみに消えていった。
あの時の彼女は、今はどうしているだろうか・・・
どこかでお囃子の練習でもしているのだろう、
窓の外、夕暮れの風景からかすかに聞こえてくる。
台所で夕飯を作っていた妻が、声をかけた。
「なによそれ」
「あ、ああっ、別に」
「煙草も吸わないのに、ライターなんか…」
「いや、なんでもない・・・そういえば、こんどの祭、久しぶりに縁日にでも行ってみるか」
「夏の日の記憶 〜心に残るひとコマのジッポ〜」
居酒屋Kのクロベーさん
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